AJFの活動

在日アフリカ人家族の生活を考える会:結婚、移住してガーナを生きる日本の女性たち 報告

日本で暮らすアフリカ人家族が直面するさまざまな課題について一緒に考える集いです。

7月4日に開催した在日アフリカ人家族の生活を考える会講座の報告です。

次回は、9月5日(土)に日本の学校での外国人受け入れの状況を考える講座を計画しています。

「結婚、移住してガーナを生きる日本の女性たち」報告■

若林チヒロさんに、ガーナに暮らす日本人女性のお話をしていただきました。

開催日時:2009年9月23日(木、秋分の日)14:00-15:30
会場:早稲田大学平山郁夫記念ボランティアセンター会議室

@ ガーナ人と日本人の結婚…

来日するガーナ人は 1990 年代から急増しているが、その 経緯や就労、結婚の状況は他のアフリカ人と似通っている。現在は新規に来日する人が 減少し、30代頃に来日したガーナ人がほぼそのまま高齢化している。

男性が8割以上を占め、結婚している人の大部分は日本人女性との婚姻である。日本人がガーナ人と知 り合う契機は、彼らの居住地と同様に都市に集中しているが、滞在が長期化するにつれ 生活費や住居費の安い郊外に移動している。

A 日本人妻の移住生活

・ガーナへ…

ガーナで日本人配偶者として在留届を出している人は 2008 年では全員女 性で、40〜45 歳の年齢層が最も多い。これは結婚出産を経て生活が安定し準備態勢が整 ってからの移住であるからであろう。

また、両親は日本に残ったまま親戚や祖父母に子ど もの養育を任せている人もいる。日本人妻にとっての移住の契機で一番多く聞かれたのは 夫の強い希望である。近年の上向きなガーナの経済状況は、母国に少なからずチャンスが あることを意味し、日本での「自由がない」生活と比較してガーナへの帰国を強く希望す る要因になっているようだ。子の教育面も要因に挙げられたが、妻自身が日本から出たか ったという状況は聞かれなかった。

・ガーナでの暮らし…

インターナショナルスクールと呼ばれる私立校に子供を通わせて いる人が多いようである。さらに日本語補習校へ通わせると、教育費はかなりの金額に及 ぶ。その他、病気治療や日本へ帰国する費用などの為の貯蓄も必要である。

日本人妻の職 業は専業主婦、日系企業の被雇用者、自営業の 3 パターンに分けられるが先に示した生活 を考慮すると、一般的なガーナ人に比べて相当な所得が必要である。時間的には、就労を 続けながら子の日本語学習を継続させることは容易ではない。その他生活上の課題として は、ガーナ人家族との関係、医療、日本にいる親、自身の老後などが挙げられている。

B ガーナを生きる日本人妻たち…

印象的だったことは彼女らの適応力やコミュニケーシ ョン能力、洞察力や慎重さであった。移住している日本人妻は「自立して」自分の人生 を自分で選んでいるように見えた。

ガーナへ移住した日本人妻たちはその能力で移住後 の生活を調整し生きる場を作り出している。彼女たちのような女性が生きやすい社会、 より多様な選択が尊重される社会こそが豊かな社会なのではないかと考える。

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