AJFの活動

アフリカンキッズクラブ
親子でアフリカの文化を楽しもう〜ガーナ共和国編〜

(独法)国立青少年教育振興機構「平成20年度子どもゆめ基金」から助成を受けて実施しました。

6月1日(日)広尾のJICA地球広場講堂で「親子でアフリカの文化を楽しもう"ガーナ共和国編"」が開催されました。前日とはうって変って空は晴れ、親子づれには絶好のお出かけ日和。さて今回はどんな人達とお友達になれるかな。

会場の入り口には世界地図が張ってあり、当日の参加者の多様なルーツが一目でわかるようになっています。早速、名札をもらって「あれ、どこかな?」「今住んでいるところがここで、パパの国は・・・。あった。」自分のルーツのある国へ名前をペタリ。親子で「今日の遊びはここガーナだよ。」「私のパパの国からはちょっと遠いね。」などと話しながら、さあイベントの始まりです。

今回の講師は、アフリカ音楽・わらべ歌の研究家の荻原美保さん、在日ガーナ人家族のアジマンさんと遠藤さんです。さてさて何が始まるのかな・・・。

まずは、荻原さんによるガーナ(エウェ語)の遊びです。みんなで輪になって「テゥボン テゥボン」「テゥボン」、「サー」「サー」、「サティマ」「ティマ イェ イェ」と歌のかけ合いをしながら手拍子をしてまわっていきます。「サーボコ」(とまれ)の合図で皆、思い思いのポーズ。「動いちゃだめよ。」と言われながらフラフラ。次はいつサーボコと言われるのかドキドキ。

ウォーミングアップの後は、ガーナ版"とーりゃんせ"。"Anti kple Atoto"という歌を歌いながら手のトンネルをくぐっていきます。歌の最後につかまった人は、「アンチ(オレンジ)とアトト(パイナップル)どっちがいい?」と聞かれ、好きなほうを選らんだ後、人の列をつくっていきます。最後の人が選び終わると今度は、その列対抗の綱引きです。綱引きといっても綱は使いません。シンプルに手と手をにぎって引っ張り合い。後ろの人達はいちばん前の人を相手にとれられないように、ガッチリ腰に手をまわし自分達の方へ引っ張ります。終わるころにはみんな額に汗。子供ならずとも大人も本気になってしまいました。

最後にヒヨコ(子)とタカ(子)とニワトリ(親)に扮して、おにごっこです。親どりのところに行きたいヒヨコ達だけど、タカにねらわれています。「おいでおいで、ヒヨコちゃん」「いやだよ、タカがいるんだもん。」でもパパ、ママのところにダーシュ。途中タカにつかまった子やうまく親どりのところにたどり着いた子。「あれ、だれがヒヨコだっけ?」と戸惑う子。自然の摂理を思わせる遊びでした。

休憩をはさんで、アジマンさんのお話です。ガーナについて歴史から一般的なことまで、わかりやすくお話ししてただきました。

子供はスライドを見て「王様だって、すごいね。」「旗の真ん中にお星様だ。」「パパの国の旗に似てるね。」と思い思いの感想を口にしていました。また"人が亡くなったときはその人が好きだった物の形を棺桶にする"の説明に、「えっ、そうなの?」と思いつつスライドを見て納得。魚やコーラ瓶、金づちやビール瓶まで!なんともユーモラス。大人も思わずメモを取りたくなる内容で、カカオのイメージが強いガーナを再発見するきっかけになりました。お話の最後には飴を使った手品を披露してもらい、「帰ったらやってみよう。」と大はしゃぎでした。

手品の飴をみて、「ほしい。」「ちょうだい。」と子供達。すると、頭の上にバナナとピーナッツをのせた売り子さん(遠藤さん)が現れました。「おなかすいたよ。」「じゃあ、自分で好きなものを買って食べよう!!」ということで、売り子さんとのかけ合いが始まりました。「何て言えばいいの?」「ピーナッツはチュイ語(ガーナ国内で広く通じる言語の一つ)で何ていうの?」「いくら渡すの?」と食べ物を手に入れるために子供たちは必死です。手をあげて「シィー」と声を出して売り子さんを呼びます。ガーナだけではなく、西アフリカでは何か(車や人)を呼ぶ時にはよく使われる呼び方です。「シィーシィー。」とはやく来てと言わんばかりに口を鳴らします。そして「ンカチィエ ノ マミ」(ピーナッツちょうだい)「ペセワ、バーコ」(1ペセワだよ)「はい。」と紙のコインを1枚渡してピーナッツをもらい、すぐにモグモグ。「まだお金残ってるからバナナ買おーっと。」と売り子のもとへ。ガーナでは、ピーナッツとバナナを一緒に口に入れて食べるのが、一般的だとか。(だからセットで売っているのね・・。)「ねえ、お水はないの?」と今度は売り子に催促。そして手に入れた水はなんと小さなビニール袋に入っているではないか!「ガーナでは町で持ち運んで売り易いようにビニールに入っているんだよ。」「でもどうやって飲むの?」「下の端をちょっと噛み切って、ビニールから水をしぼり出すように口に入れてみて。」と、あっちでもこっちでも水飲みの実演です。「うわーこぼれちゃうよ。」「うまく飲めたよ。もう一個。」そしてガーナでよく食べられている"ジョロフライス(トマト味)"を試食し、のども潤いおなかも満足。お母さん達はこれは家でも作れそうね、とレシピに興味深々でした。

子供達も「今日はたのしかった?」の問いかけに、「おにごっこおもしろかった。」「自分でバナナ買ったんだ。」と印象に残る経験がたくさんあったガーナ共和国編でした。次はどの国に行けるのかな・・・。 (アフリカンキッズクラブ企画運営メンバー・二牟礼恭子)

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