AJFの活動

【アフリカンキッズクラブ】Summer Camp 2016

アフリカンキッズクラブは在日アフリカンファミリーやアフリカの文化に興味のある子どもたちの交流をはかる企画です。

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7月30・31日の二日間、関東地区に住むアフリカンキッズたちが奥多摩・川井キャンプ場に集結しました。天気は快晴、風も心地よく絶好のキャンプ日和。総勢50名が集まった、5回目にして最大規模となりました。サポーターの大学生・運営メンバーがテントを組み立て、荷物運びを終えると続々参加者が到着。何回も参加したことのあるキッズもいれば、初めてでお母さんの袖の後ろに隠れてしまう子も。サポーターも全員初めての参加、子どもたちを目の前に少しだけ緊張しました。仲良くなろうと自己紹介ゲームを行い、徐々に打ち解けていきます。

キャンプはいつもの生活とは違う、布団だって自分で運ばないといけない。参道が急だったから大きなマットレスをもって歩くのは一苦労。それでも年上の子どもたちは小さな子たちを手伝ってあげながら、みんな自分で運べました。部屋に入ってさっそく川遊びの準備。水着に着替えてシューズもはいて、キャップもゴーグルも準備オッケー。このころにはもうみんな仲良し。お兄さんお姉さんとも自然に話せるようになっていきました。

さあようやく川だ!太陽は照りつけるように暑くて、ひんやり冷たい水が気持ちいい。上流下流にしっかりお兄さんがスタンバイして、お姉さんたちも目を離さずに安全管理。川は楽しさと危険の隣り合わせ、細心の注意を払って無事2時間弱楽しく過ごせました。うきわに乗って流れにのったり、水かけごっこや水鉄砲。マスつかみでは、みんなで必死になって捕まえました。

たっぷり遊んで、ごはんの準備ができるまではちょっと休憩。運営メンバーのお母さんたち・サポーターは焼きそばやバーベキュー、そしてなにより西アフリカ料理のトマトシチューを準備してくれました。火おこしもなんとか成功し、暑い中薪をくべ鉄板を見張りうちわで火加減を調整し、夕食じゅんびも一苦労。

子どもたちはそのころお部屋で元気にエンジョイ中。男の子部屋ではうきわを振り回して大暴れ、側転バク天でんぐり返し、今夜は寝てくれるのか心配です。女の子部屋では、中学生の子たちがお化粧を始めると、「わたしにもおしえて」「わたしも使いたい」。どうやら男子は禁制のようです。

ごはんのいい香りがしてきたので、階段を駆け上がって炊事場に行くと、もうトマトシチューが出来上がっています。男の子たちは「僕も手伝うよ」とうちわであおいだりトングで野菜をひっくり返したり。みんなで一緒に料理をしました。

さあやっとご飯だ!川で遊んだ分おなかもペコペコ。たくさん用意した食事はみるみるうちに減っていきました。子どもたち同士で楽しくおしゃべりしている傍ら、ママたちもいろんなお話をします。なかなか普段は共有できない気持ちも、こういう機会だからこそいろいろな意見を聞くことができました。食事が終われば花火で遊びました。赤黄緑、お化け花火に線香花火。夏の思い出を作れました。

花火が終わると男の部屋に集合しておはなし会。拓殖大学のお兄さんお姉さんがこの日のために手作りで紙芝居を作ってくれました。細かい絵に素敵な色使い、子どもたちもほかのサポーターも、全員夢中で見入ってしまいました。おはなし会が終わるとそろそろ寝る準備。みんな元気に大騒ぎだから寝られないかなあ、と思ったけど、やっぱり疲れていたようです。中にはさみしくなってお母さんと一緒に寝る子も。

朝はひんやり土と木の匂いで目が覚めました。前日の残りのトマトシチューは伸ばして絶品スープに、ご飯はおにぎりに、お肉は焼きそばと一緒にいためて、バナナやパンも一緒にいただきます。チェックアウトまでにみんなで荷造り、ふとん運びも朝から元気にできました。

朝の冷え込みのせいで少し冷たかったけれど、2日目はお母さんたちも川にチャレンジ。子どもたちと楽しく遊べました。キャンプも終わりに近づくと、スイカ割りの時間がやってきます。木の枝が細くてきれいに割れなかったけど、いただいたスイカ2玉をペロッと食べきりました。

全員で集合写真を撮って、解散式。お世話をしてくれたサポーター・運営メンバーに全員でお礼を言いました。もっとみんなといたくて落ち込んでいる子、「いろんな合宿に行ったけど一番楽しかった!」といってくれた子、「次はなに?ハロウィン?クリスマス?」と次回が待ちきれない様子の子、とにかく疲れて今にも寝てしまいそうな子…。お母さんたちからも「お疲れ様」とねぎらいの言葉をいただいました。

African Kidsがこんなに集まる機会はめったにありません。普段はいろいろな思いを一人で抱えている子どもたちもお母さんたちも、今回のキャンプのような「居場所」があることは大きな意味があるとおもいます。大学生サポーターにとっても、普段は触れ合えないような元気いっぱいのキッズたちと過ごすことは貴重な体験だったはずです。はじめは全く話せなかった子も、最後にはあふれんばかりの笑顔で「また会おうね!」と言ってくれました。

わたしにとっても、似ているバックグラウンドを持つキッズたちと過ごすことは、特別なことでした。わたしのような10代後半〜20代の“元African Kids”が、次の世代にとって住みやすい社会になるように努力しなければと感じます。自分が子どものころはこのような機会がなかったので、あの頃の自分が求めていた場所を今の子どもたちに提供していきたいです。そして、お母さんたちからいろいろなお話を聞いていく中で、自分の親のことも考えました。きっとわたしの親も同じように様々な悩みを抱えながら育ててくれたのだろうと思います。いま、20歳というちょうど狭間の年齢だからこそ、どちらの気持ちもわかるような気がします。

今後African Kids Clubが、子どもたち・お母さんたちにとって「帰ってきたい」と思える場所になるといいなと思います。

文責:エバデ・ダン愛琳(インターン)

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