アフリカ熱帯林の現状と日本との関係

警報:密猟者が希少なゾウの生息地に侵入 (中央アフリカ共和国)


WWFのアラートを、AJFが翻訳・紹介するものです。引用する際には、原文にあたってください。
Alert: Poachers enter unique elephant habitat

警報:密猟者が希少なゾウの生息地に侵入 (中央アフリカ共和国)

世界自然保護基金(WWF) 2013年5月7日

月曜日、密猟者らが、アフリカの最も希少なマルミミゾウの生息地のうちの一つに侵入し、2012年2月にカメルーンのブバ・ンジダ国立公園内で密猟者らが象牙目的で少なくとも300頭以上のゾウを殺して以来最大規模の、ゾウの大虐殺を引き起こそうとしている。

WWFの情報によれば、月曜日、武装した17名のグループがザンガ・ンドキ国立公園に入り、現地で「ゾウの村」として知られ、毎日50頭から200頭のゾウが土の中にあるミネラルを採取しに集まってくる広大なバイ(草原性湿地)、ザンガ・バイに向かったという。

WWFが支援する2名の現地研究員らによれば、カラシニコフライフルで武装したメンバーらのうちの3名が、月曜日、熱帯林の中で研究員らに接触して、食べものと科学者や観光客らがマルミミゾウの観察に利用しているザンガ・バイの観察台への道順を要求したという。この研究員らは、間違った道順を教えた後すぐに逃げ、そして隠れる際にバイの方からする銃声を聞いた。

同じく月曜日、2名の環境保護官が、ザンガ・バイ観察台上でマルミミゾウに向かって発砲する武装者らを目撃したと証言している。この保護官らは隠れようとした際に、公園の入口で17名のガンマンたちを乗せてきた車両が停められているのを見たという。

WWFは国際社会に対し、今年初めから暴力と混沌に揺さぶられている中央アフリカ共和国の平和と秩序を取り戻す手助けと、この類まれなる世界遺産を守るための支援を求めている。

WWFインターナショナルのジム・リープ事務局長は以下のように述べた。

「迅速で明確な対応が取られなければ、密猟者が国の混沌と不安定につけ入り、類まれなる世界遺産に生息するマルミミゾウを殺戮する可能性は高くなります。」

「野生生物に対する犯罪は国の不安定の結果であるだけでなく、この不安定の原因の一つでもあります。国々の安定と経済発展を脅かす悪循環の中で、野生生物に対する犯罪はこの地域における暴力をさらに激化させているのです。」

「中央アフリカ共和国は、この地域における密猟を止めるために軍隊を動員するという2週間前の約束を、直ちに遂行しなければなりません。さらにWWFは国際社会に対し、中央アフリカ共和国の平和と秩序を取り戻し、その希少な自然遺産を保護するための手助けを直ちに提供するよう求めています。」

「さらに私たちは、カメルーンとコンゴ共和国に対し、中央アフリカ共和国が世界遺産を保全することへの支援を提供するよう強く求めます。この世界遺産はこのバイのみならず、これら2カ国の広大な隣接地域も含んでいるからです。」

「最後に、象牙を消費している国の政府、特に中国とタイは、アフリカに広がるゾウの絶滅の根本的原因である象牙需要をなくすための努力を倍増しなければなりません。」


独立行政法人環境再生保全機構より平成24年度地球環境基金助成金を受けて実施した「アフリカの熱帯林の環境保全と日本をつなぐ生物多様性保全の教育・普及活動」のフォローアップの一環としてこのページを作成し、公開しています。

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