アフリカ熱帯林の現状と日本との関係

元密猟者を含むOdzala-Kokoua国立公園のエコガード部隊、コンゴにおける象牙密猟との闘いに2度の勝利


African Parks Newsが配信したニュースを、AJFが翻訳・紹介するものです。
引用する際には、原文にあたってください。
TWO IVORY POACHING VICTORIES IN CONGO BY ODZALA-KOKOUA NATIONAL PARKS ECO-GUARD UNIT COMPRISING FORMER POACHERS

元密猟者を含むOdzala-Kokoua国立公園のエコガード部隊、コンゴにおける象牙密猟との闘いに2度の勝利


Cynthia Walley, African Parks News 2013年11月07日

コンゴにおけるゾウの密猟との戦いにおいて、かつての密猟者をメンバーに含むOdzala-Kokoua国立公園のエコガード部隊によって、2つの勝利が収められた。一つ目の勝利は、7月の、コンゴ人の地元の象牙元締めの逮捕と有罪判決、そして二つ目は10月の、主要人物と思われる中国人象牙取引業者の逮捕であった。

Odzalaエコガード部隊は、昨年末、この公園で始まった画期的な恩赦(アムネスティ)プログラムに申し込んだ元密猟者を含んでいる。この最初の「密猟者から保全者へ」というプログラムは昨年12月、現役エコガードによる口コミ宣伝活動と、公園周辺の村々の村長たちへの公式な通知書送付によって始まった。この恩赦プログラムに参加する密猟者たちは、違法な武器を手放し、密猟の状況について詳細を記した申告書を提出することを求められる。この恩赦プログラムの一環として彼らは、この公園における新しいエコガードになるための選抜と訓練コースに参加する資格が与えられる。

この恩赦プログラムに応募した56名の元密猟者のうち、45名が厳しい選抜と訓練コースを成功裏に修了した。内28名は完全に一人前のエコガードとして、残り17名は、エコモニターとして雇用された(エコモニターは研究やモニタリング任務、エコガードは法律執行任務にあたる)。

このプログラムの応募者中5名が、象牙を扱う地域の元締めで、「Pepito」のニックネームで知られる、Ngondjo Ghislainとともに以前働いていたことを告白した。彼らの申告書は、彼が訴追されているEwoの法廷で追加証拠として認められた。「Pepito」は、7月に有罪判決を受け、現在は、五年の懲役刑に服役中である。

10月15日、元密猟者を含むあるエコガードのチームが、中国人の象牙トレーダーと思しき人物及び同じく中国籍のドライバーを特定し、逮捕した。このトレーダーは、3本の象牙を所持していたところを発見された。逮捕の過程でこのトレーダーは、 Odzalaの密猟対策メンバーを買収しようとしたが、不成功に終わった。この二人は、ウェッソ(Ouesso)の警察署に輸送され、翌日、公式申告書を作成することになった。彼らは、二人とも告訴されたが、釈放された。このケースは現在のところ、国の検察官の前にある。

このプログラムへの応募者には、1人の先住民(「ピグミー」)が含まれており、彼はこの訓練を修了し、現在この公園のエコガードチームのメンバーである。彼はこのプログラムの第二回には、この地域の狩猟採集民を採用することを提案している。

アフリカン・パークス のOdzala-Kokoua 国立公園担当マネージャーである Leon Lamprecht 氏は、「密猟は、エコガードとして働くよりも儲かる仕事ではあるが、この恩赦採用は、安定的で合法、そして社会保障手当がある点で魅力的である。」という。「Odzalaの密猟対策活動によって、密猟者が違法な猟を継続し、逮捕を免れることを非常に難しくしている、と認めている人々もいる。」と付け加えた。

2011年に Odzala-Kokoua Foundationの支援のもと、 アフリカン・パークスが Odzalaの管理を引き受ける前は、この公園の中央エリアは四年間に渡ってパトロールされていなかった。それ以降、アフリカン・パークスは、効果的で多方面に渡る密猟対策プログラムを実行し この公園に迫る脅威に対処してきた。Lamprecht氏とそのチームは、 Odzalaにおける新エコガードメンバーの採用活動と第二回恩赦プログラムを2014年2月に計画中である。2014年には、米国の Richardson Foundation の資金で恒久的エコガード訓練施設が建設されることになっている。

For more information, please contact Cynthia Walley, Public Relations Manager at African Parks Network, at cynthiaw@african-parks.org


独立行政法人環境再生保全機構より平成24年度地球環境基金助成金を受けて実施した「アフリカの熱帯林の環境保全と日本をつなぐ生物多様性保全の教育・普及活動」のフォローアップの一環としてこのページを作成し、公開しています。

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