助言者たちによる計画支持を受け、香港が押収された28トンの象牙を処分へ
South China Morning Postの記事を、AJFが翻訳・紹介するものです。
引用する際には、原文にあたってください。
Hong Kong to destroy 28 tonnes of seized ivory after advisers endorse plan
助言者たちによる計画支持を受け、香港が押収された28トンの象牙を処分へ
South China Morning Post 2014年01月23日
国際的な例に倣って、押収された象牙のストックの処分を決定することで、香港は違法象牙取引との戦いを開始した。
この動きは、昨年、絶滅危惧種に関する市の助言者たちが、象牙の焼却処分の計画支持を拒否した時点へ立ち返ることを意味する。
少なくとも、漁農自然護理署が現在所持する28トンの象牙が、青衣(Tsing Yi)の化学廃棄物施設にて焼却処分される予定だ。
昨日象牙処分を承認したEndangered Species Advisory Committee(絶滅危惧種助言者委員会)によれば、さらなる1.6トンの象牙は、教育、科学的な目的、または国際条約において許可されているその他の目的のために保持されると言う。Paul Shin Kam-shing議長は、この決定は全会一致のものであり、今後への例となることを望んでいると述べた。 Kam-shing氏は、「委員会は世界中の国々に対し、違法なゾウの密猟の撲滅と、ゾウ保護のために厳格な措置を取ることにおいて一致協力の努力を求めます。」と述べた。
Hong Kong for Elephantsのプログラムディレクターを務めるAlex Hofford氏は、 「政府が世界の他の国々に加わり、ゾウの保護をリードしていくのをついに目にするというのは、大変喜ばしいです。」と語った。
けれども、Hoffard氏は学校教育における象牙の使用については反対している。 「教室の中で象牙が必要だとは思えません。それは、薬物取引について教えるために、生徒たちに薬物の入ったバッグを渡すようなものです。」
保全当局者は、最初の象牙処分が7月までに行われ、残りの処分が2年以内に行われることを望んでいる。
漁農自然護理署は、活動家によれば、10,000頭以上のゾウの死に値すると言うストックが、セキュリティのリスクと管理の負担の両者になってきていると言う。 市は、合衆国や広東を含む他の管轄区に加わり、象牙を処分するよう、地域そして海外から圧力を受けている。
野生生物取引監視ネットワークTrafficにおいて象牙取引の専門家であるTom Miliken氏は、「象牙取引の動力に対し象牙処分がどのような影響をもたらすのか未だ明らかでない間、香港の象牙処分決定により、地域の消費者へ、違法象牙は許されない、という強いメッセージが伝わるのか、との小さな疑いがあります。」と述べた。
Miliken氏は、象牙が何を破壊し、どこからやって来たのかを明らかにするために、どんな象牙処分も独立した監査過程に先行されるべきである、と言う。
「さらには、象牙の科学捜査を常習化するべきです。そうすることによって、犯罪者による象牙の輸送方法について貴重な見識が得られ、劇的に犯罪者の逮捕に繋がることになるでしょう。」
このニュースは、象牙処分のキャンペーンを行っていた子どもたちを喜ばせた。 11歳のNellie Shuteは、「素晴らしいです。象牙処分はまさに私たちが求めていたことで、私たちはこのために活動していたのです。」と語った。 同じく11歳のLucy Skrineは、「私達の側に立ってくれた委員会に感謝します。ゾウが生き残れるということはとても大切なことです。」と語った。
違法象牙の販売は、年間何万というゾウの密猟をたき付けながら、中国本土やタイで未だはびこっていると言う。1キロあたりの象牙の価値は、8000〜15000香港ドルとなっている。
独立行政法人環境再生保全機構より平成24年度地球環境基金助成金を受けて実施した「アフリカの熱帯林の環境保全と日本をつなぐ生物多様性保全の教育・普及活動」のフォローアップの一環としてこのページを作成し、公開しています。