アフリカ熱帯林の現状と日本との関係

保護活動家たちがヨーロッパに象牙ストックの処分を迫る


Agence France Presseの記事を、AJFが翻訳・紹介するものです。
引用する際には、原文にあたってください。
Conservationists urge Europe to destroy ivory stock

保護活動家たちがヨーロッパに象牙ストックの処分を迫る

Agence France Presse 2014年2月4日

パリ― フランスが3トンの象牙の焼却処分によって最初の例を示す準備をしたことを受け、 保護活動団体が月曜、ヨーロッパ諸国に対して押収象牙のストック処分を迫った。

パリに拠点を置く環境ロビー団体のRobin des Boisは、アフリカゾウの虐殺を止めるために、過去25年間に密輸業者から押収した、 その増大する象牙のストックを永久に手放すよう、フランスに要求してきた。

英語名でロビン・フッドを意味するこの団体は、フランスは約17トンの象牙を押収しており、 それらは主に貯蔵庫や博物館に保存されていると推測している。

エコロジー省は、象徴的な行為として木曜日にエッフェル塔近くで3トンの象牙を粉砕し焼却処分することを発表した。 また、将来的には全ての押収された象牙を「体系的に」処分することも公約している。

Robin des Bois代表のJacky Bonnemains氏は、「私たちはフランスが、押収象牙を貯蔵する、 というこれまでの方針を変えたことに大変満足しています。」、と記者たちに語った。

「私たちは、押収された象牙を体系的に処分する、というこの新たなアプローチが、 サイの角や他の違法野生生物製品にも広がっていくことを望んでいます。」

この団体は、そういった密輸品を処分することで、 それらを市場に再び持ち込もうという誘惑を減らすことにつながるだろうと主張している。

Bonnemains氏は、木曜日のデモンストレーションは多くの国々の間で最初の例となるものであり、 「私たちは他のEU諸国にも同じように象牙を処分するよう求めています。」と述べた。

1月に6トンの押収象牙を処分した中国、11月に同様の象牙を処分したアメリカに続いて、フランスは一番最近に象牙処分を行う国となる。 フィリピンは昨年6月に5トンの象牙を処分し、ケニアも2011年に同じく5トンの象牙に火を付けた。香港は先月、2年以内に28トンの象牙を焼却処分すると表明した。

昨年国際自然保護連合が出した報告書は、2012年に22,000頭のアフリカのゾウが違法に殺害されたことを報じ、 「現在の殺害スピードが続けば局所的に絶滅する」と警告した。

ゾウは、急速に経済が成長するアジア、特に中国やタイで需要が高い象牙を得るために、 その巨大な牙を目当てに殺害されている。

アフリカのゾウの数はおよそ500,000頭と推測され、これは1980年の全体数の半分である。

Robin des Boisは、昨年4月から11月の間に押収された象牙の量は約4900頭のゾウに値すると述べたが、 押収されるのは違法取引全体の約10%にすぎないことを強調した。

象牙の国際的な取引禁止が1990年に開始されたが、それ以降も、限定された合法取引を許可するために何度か取引が認められてきた。 保護活動家たちは、この行動が闇市場での象牙需要を増加させたと主張している。


独立行政法人環境再生保全機構より平成24年度地球環境基金助成金を受けて実施した「アフリカの熱帯林の環境保全と日本をつなぐ生物多様性保全の教育・普及活動」のフォローアップの一環としてこのページを作成し、公開しています。

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