アフリカ熱帯林の現状と日本との関係

フランス、保管する違法象牙を処分


The Guardianに掲載された論文を、AJFが翻訳・紹介するものです。
引用する際には、原文にあたってください。
France destroys illegal ivory stocks

フランス、保管する違法象牙を処分


The Guardian 2014年02月06日

木曜日、フランスはヨーロッパで最初に違法象牙のストックを処分し、ゾウやその他の種を危機に晒し、利益をもたらす野生生物取引に関与する人々に対し劇的な警告を発した。

多くは建設資材用の白い袋に詰められたの3トンの象牙は、エッフェル塔の足元のChamps de Marsでトラックから降ろされ、青いシートの上に広げられた。

ひどく冷たい霧雨の中、象牙は一つずつコンベアベルトにのせられ、粉砕機にかけられ、細かい、薄汚れた白い粉となった。

この象牙処分は、密猟者や密輸業者への、「象牙に未来はない」という強いメッセージを意図したものであった。

フランスで保管されていた象牙の処分は、年間190億ドルに上る野生生物取引をなくすことを目指すグローバルサミットが、チャールズ皇太子とキャメロン首相指導のもと、ロンドンで2月12日から13日にかけて開催されるのに向けたものであった。サミットには50人の各国首脳が招かれている。

合計で2,304kgの、象牙全体の形をしたままのもの、もしくはバトン状に彫刻された象牙のほとんどが、Roissy空港、またはOrly空港で貨物または乗客から、税関職員によって押収されたものであった。

加えて、彫像や服飾品を含み全体で800kgになる15,357本の象牙も粉砕機にかけられた。当局者によれば、象牙の粉は、元に戻せなくするために建築用複合材料として使われると言う。

エコロジー・持続可能な発展・エネルギー省のPhilippe Martin氏は、フランスで押収された全ての象牙は、科学的または教育的目的で保管されるサンプル品や、象牙密輸業者らを追う手がかりになり得るものを除き、将来、処分されることになると付け加えた。

Martin氏は、「違法象牙の処分は、絶滅危惧種の密輸取引との戦いにおいて不可欠となってきています。これは、アフリカでのゾウの生存を危機に晒している密輸業者に向けた強いメッセージです。」と述べた。

「私たちの野生生物違法取引に対する武器は、かなり強化されてきています。そして2014年にも強化し続けていきます。」

Martin氏は、フランスが違法象牙を扱う人々への罰金を10倍まで増額させたことを述べた。

「密猟者と密輸業者へのメッセージははっきりとしています。象牙取引に未来はない、ということです。この行動を通じて、私たちは彼らに象牙に何の価値も無いことを伝えています。」

The national office of hunting and wild fauna(ONCFS)で警備責任者を務めるHubert GnAnt氏は、「野生生物製品の密輸は、ドラッグ、偽金、そして人身取引に次いで最も儲かる犯罪となってきています。」

「全ての種で合わせて、140億ドル以上となっています。純粋な象牙は、象牙の主な行き先であるアジアの闇市場において1キロで2000ドルにもなります。私たちは、野生生物の違法取引に、5億〜6億匹の熱帯魚、1500万頭の毛皮の生物、500万羽の鳥類、200万匹の爬虫類、そして3万匹の霊長類が巻き込まれていると予測しています。」、と述べた。



独立行政法人環境再生保全機構より平成24年度地球環境基金助成金を受けて実施した「アフリカの熱帯林の環境保全と日本をつなぐ生物多様性保全の教育・普及活動」のフォローアップの一環としてこのページを作成し、公開しています。

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