アフリカ熱帯林の現状と日本との関係

野生生物の違法取引を根絶するために共同計画を展開するアフリカのリーダー達


allAfrica「African Leaders to Develop Common Plan for Stopping Wildlife Crime 」を、AJFが翻訳・紹介するものです。

野生生物の違法取引を根絶するために共同計画を展開するアフリカのリーダー達


国連環境計画(プレスリリース)
2015年04月27日

アフリカの各国の首脳、政府の代表者、専門家らが、アフリカの動植物の違法取引に関する国際会議に集まった。そこで彼らはアフリカ大陸で野生生物の違法取引を終わらせるための共通の指針を作り上げる。

会議は、野生動植物の違法取引の問題に挑む、初のアフリカ全体の戦略と行動計画を提案し、今年の終わりに行われる次のアフリカ国家連合首脳会談でさらに議論することを目指している。

この4日間のイベントは、コンゴ共和国がリーダーシップをとり、アフリカ連合委員会(AUC)の協力および、国連開発計画(UNDP)と国連環境計画(UNEP)、絶滅のおそれのある野生動植物の国際取引に関する法律(CITES)、アフリカ開発銀行、ルサカ協定タスクフォース、国連薬物犯罪事務所(UNODC)その他の援助のもと、開催される。

「森林と野生生物は私達が共有するアフリカの遺産の一部です。しかし驚くべき速度で消失しています。」とコンゴ共和国のDenis Sassou Nguesso大統領は述べた。「われわれには、現在と未来の世代のために私達の無比の生物多様性を守るために、アフリカ大陸の国々と共に、この苦難に立ち向かうための共同の強固な解決策を生み出す義務があります。」

経済協力開発機構、国連薬物犯罪事務所、国連環境計画、インターポールなどによる概算によると、野生動植物の犯罪は伐採、様々な種類の野生動物の密猟と違法取引を含むもので、その総額は年間何兆ドルにものぼる。

野生生物の違法取引は生物多様性と生態系を破壊し、発展を妨げ、何百万人ものアフリカの住民の生活を蝕む。またそれは、紛争と汚職を助長し、国から財産を奪い、法律の支配をないがしろし、社会を分裂させて不安定な状態を作り出す。

「このイベントが終わるまでに、私達はアフリカ独自の、アフリカが主導する強固な戦略に関する明確な指針を持つことを見込んでいます。」と農村経済・農業委員の委員長Tumusiime Rhoda Peace氏はこう発言する。「指針は国境を越えた総合的な行動を奮い起こさせることを目指しています。そして断固として密猟と違法取引を根絶するための実践的な解決策を示すでしょう。」

今回のブラザビル会議で起草された戦略と国家連合としての行動計画が、全てのアフリカの加盟国との協議で更に発展されることが期待される。そして、今年の6月に南アフリカで行われるアフリカ大陸のリーダー達が半年ごと集まる会議で、戦略の進捗状況が評価されることになっている。

「アフリカ連合とその加盟国により展開され、アフリカ大陸のニーズに焦点を合わせた戦略は、前進のための一非常に重要な一歩です。」とUNEPの事務局長であるAchim Steiner氏は述べた。

「この進展には加盟国の積極的な参加が必須です。そしてこれを実施するためには、適切な法律や十分に問題に取り組む制度などと同様に、強化され、かつ持続的な国際的な援助と、強固な情報網、より十分な公的援助と説明責任が求められています。」

アフリカの野生動植物の違法取引に関する国際会議は 2014年のロンドン会議と2015年の野生生物の違法取引に関するカサネ高等会議を契機に設立され、赤道ギニアのマラボで行われた23回目のアフリカ連合サミットに引き続いて行われた。これらの会議で法律と政策を強化するために行動し、野生生物の違法取引およびそれによって起こる犯罪活動との闘いに、地域社会の関心を惹き付けるため、アフリカの国家におけるゼロ・トレランス政策が強く推進されてきた。

「野生生物と伐採樹木の違法取引は、安全保障、環境、開発の分野において深刻な課題を引き起こします。」UNDPの総裁であるHelen Clark氏は言う。「地域の貧困に焦点を当て、行政と法律の規制を強化し、野生生物の不法な取引を根絶することはこれらの危機に取り組む鍵であり、持続可能な開発というアフリカの理想の未来像を実現するために必須です。」


独立行政法人環境再生保全機構より平成24年度地球環境基金助成金を受けて実施した「アフリカの熱帯林の環境保全と日本をつなぐ生物多様性保全の教育・普及活動」のフォローアップの一環としてこのページを作成し、公開しています。

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