アフリカ熱帯林の現状と日本との関係

ナミビアは象牙と犀角を焼やさないーShifeta氏が語る


Official Wire「Namibia will not burn ivory and rhino horns- Shifeta 」を、AJFが翻訳・紹介するものです。

ナミビアは象牙と犀角を焼やさないーShifeta氏が語る


2015年7月15日 New Era  

ウィントフック

ナミビアは象牙と犀角の在庫を焼却することはないであろう。しかし他のアフリカの国々では密猟に対抗する手段としてこの方法をとっている。

現在のところ国家の象牙と犀角は数兆円の価値があり、密猟者からの押収品、自然死や間引きあるいは除角などを通じて集められた象牙と犀角から成っている。

ナミビアは野生生物の管理が行き届いているため、CITES(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)から「1回限り」の象牙の輸出を2度承認されたアフリカの数少ない国家のひとつである。CITESが象牙と犀角の取引を継続的に禁止しているにも関わらずである。

New Eraが昨日行った環境観光大臣のPohamba Shifeta 氏に対するインタビューによると、なぜナミビアが、多くの象牙・犀角製品を倉庫に保管している一方、野生生物犯罪防止の一環として他の国々のようにそれらを処分せずにいる点について、ナミビアは象牙と犀角製品を燃やす方針はないとのことだ。  

1999年にCITESはジンバブエ、ボツワナ、ナミビアから日本への「1回限りの」象牙の在庫の輸出を許可した。そして2008年にはナミビア、ボツワナ、南アフリカ、ジンバブエがその象牙在庫を日本や中国相手に販売した。「象牙と犀角を燃やすことは私たちの方針ではありません。私たちの方針は憲法95条に由来し、持続可能な形で行う限り、ナミビア人が自然資源から利益を得るものであるということを明確に規定しています。 

象牙を焼却あるいは処分することは私たちの方針に反します。」と彼は言う。

ここ何年もの間、ケニア、モザンビーク、マラウイ、エチオピアなどの国々は、いかなる違法取引製品も排除するという彼らの決意を公式に世界に示すために、不法に取引された象牙を公衆の前で処分した。 しかしながらShifeta氏によると、ナミビア政府の見解は、象牙と犀角製品の焼却は筋が通っていないというものである。

「私たちは、抵抗あるいは抑止力として象牙を燃やすといった示威運動の裏にある論理を追求することに挑んでいます。焼却を行っている国々はおそらくその論理をわかっているのかもしれません。しかし私にはなぜ私たちがナミビア人としてそれをしなければいけないのか、その理由がわからないのです。私はいつも人々に問います。私たちが泥棒からダイアモンドを没収した時、なぜ私たちは同じことをしないのでしょうか?と。私たちはそれを破壊しますか?捨てますか?燃やしますか?」と彼は尋ねた。

保有されている象牙と犀角の莫大な財産は、そのような製品の購入に興味を持っている国々に正規に競売で売られれば、ナミビア人が利益を得るであろう、とShifeta氏は説明する。  

「私たちは多くの財産を得て、利益は国庫に行き、貧困を軽減することはできます。だからこそ私たちは象牙と犀角の全部の焼却に反対しているのですー私たちはそれを持続可能な形で行う方針を持っています。また、私たちは焼却が密猟と戦う上で効果的な抑止力にならないと感じています」と大臣は強調した。

彼は警備上の理由のために、在庫の正確な重量と倉庫の場所、同様に正確な金銭的価値を公表することを拒否した。

彼はこのように言うだけだった:「もちろん私たちはある場所に倉庫を持っています。そこに私たちはこれらの製品を保管しています。これらはナミビアの製品で、国民はそのことを知るべきです。私たちにとってそれを売却することは政府がそのような製品の在庫を保持する負担を軽減するでしょう。」

しかしながら、彼は、除角などの様々な理由のために象牙と犀角の量はほとんど毎月変化するということを明らかにした。


独立行政法人環境再生保全機構より平成24年度地球環境基金助成金を受けて実施した「アフリカの熱帯林の環境保全と日本をつなぐ生物多様性保全の教育・普及活動」のフォローアップの一環としてこのページを作成し、公開しています。

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