アフリカ熱帯林の現状と日本との関係

熱帯林に暮らす人々にとっての開発…開発が先住民たちの昔から持っている伝統的な生活の仕方や生業に与える影響

アフリカ熱帯林の先住民は狩猟採林集民で、かつては「ピグミー」や「ピグミー族」と呼ばれていた。しかし、今ではそれは蔑称だというので〇〇地域に住んでいる△△といった民族名で呼ぶのが普通のだが、ここではわかりやすく「ピグミーさん」と表記する。「ピグミーさん」は何千年もの昔から熱帯林に住んでいて、狩猟・採集をし、原始的な自然の熱帯林に依存しながら生きてきた。

しかし、熱帯林地域は伐採によって縮小しているので、彼らが伝統的な生活を送ることのできる場所は縮小していてすでに熱帯林からあぶれだしているというのが現状だ。動物のいる場所に行って動物を獲りながら移動していくという、ある社会単位で移動しながら伝統的な生活を維持するためには熱帯林が必要である。だが、熱帯林が残っていないという状況の中で、定住化が進んでいる。定住化して、狩猟という彼らのアイデンティティーを発揮することができない、普通の農耕民になってしまっているのだ。


<出典>
「アフリカNOW No.93」はこちら
「アフリカNOW No.93―アフリカ熱帯林に住む人々が直面している課題[西原智昭] Issues people living in African tropical forest are faced with」
「第二回 アフリカ熱帯雨林地域での開発業と先住民」記録はこちら

  
独立行政法人環境再生保全機構より平成24年度地球環境基金助成金を受けて実施した「アフリカの熱帯林の環境保全と日本をつなぐ生物多様性保全の教育・普及活動」の一環として、このページを作成・公開しています。

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