アフリカ熱帯林の現状と日本との関係

ガボン:アリ・ボンゴ・オンディンバ大統領、象牙5トン(ゾウ約5000頭分)を焼却


以下の内容はこちらのリンク先の記事を訳したものです。 http://fr.allafrica.com/stories/201206271292.html

Gabonews (Libreville)
2012年6月27日(水)(リーブルヴィルにて)


ガボンのアリ・ボンゴ・オンディンバ大統領は今週水曜日、【首都】リーブルヴィルのシテ・ドゥ・ラ・デモクラシーで、不法な狩猟によって得られた象牙5トンを焼却した。この量はゾウ約5000頭分にあたり、評価額の概算は50億CFAフランである。

「これは、【ガボン】共和国政府が象牙国際取引とのたゆみない闘いを開始したことを明示する行為だ。密猟者たちに向けた強い警告でもある。ガボンではもうこのような不法な商取引は成り立たない、と思い知らせるための警告なのである。以降、密猟者たちにはいっさい容赦しない。」オンディンバ大統領はこのように強調した。

密猟による大量の象牙ストックは、50億CFAの価値があると推定されている。これらは水・森林省と国立公園局の職員によって5年間にわたって押収された。その半分以上はここ2年で取り押さえたものだ。しかし密猟者や取引業者の手段を考えると、政府にとってこの作業はしだいに困難になってきている。

「これは国際社会へのシグナルなのだ。というのはわが国はほかの国々と同様、密猟者との容赦ない闘いに入るのを望んでいるからだ。そうすればこの行動はいっそうの支援を受けられるだろう。そのうえ今日では、【ゾウを】本当に保護するため、相当数の組織や政府がわが国と活動しようとしている」とガボンの大統領は述べた。

ガボンは10年以上前から生態系の保存・保護政策をとってきた。これは、領土の10パーセント近くを覆う13の国立公園創設という形で表れている。現大統領就任以来、こうした努力にはいっそう拍車がかかっている。大統領の開発政策の大部分はグリーン・エコノミーに基礎をおいているのだ。

オンディンバ大統領は、「われわれはゾウを見るために国外の動物園に行くようなことはしたくない。われわれはこの遺産を未来の世代に渡したいのだ。したがってこれを守らなければならない」と力説した。

ガボン国立公園局( ANPN)の事務局長リー・ホワイト教授によると、最近20年間でアフリカは森林ゾウの約80パーセントを失ったという。

リー・ホワイト教授はこう語る。「ガボンはアフリカではゾウの最後の聖域だ。たとえば現在ガボンにはコンゴ民主共和国の20倍のゾウがいる。コンゴ民主共和国はガボンの10倍の面積なのにだ。」

ホワイト教授はまた、ガボンで活動する密猟者の大半は外国人だという。密猟者はとりわけナイジェリア人、コンゴ人、カメルーン人、スーダン人、赤道ギニア人で、もちろんガボン人もいくらかはいる。

「これらはみな、ここ12か月間のわれわれの活動で逮捕されたた者たちの国籍だ。つまり今日では、象牙があればコカインよりも多く稼げるということでもある」とホワイト教授はいう。

ガボンは今後、ゾウの密猟との闘いに力を入れようとしている。ここ2年で自然環境保護隊の人数は45人から800人に増加した。密猟者と取引業者を追い詰めるための特殊チームも創設されたところだ。まもなく500名近い兵士からなる派遣部隊も国立公園局に配備され、密猟との闘いと監視を強化することになっている。国立公園局の予算も2011年以来5億CFAから50億CFAに増加した。予算は2012年には60億CFAに、2013年には70億CFAになる。ここにはさらに支援相手からの援助が加えられ、こちらも約50億CFAと推定されている。

〈訳注〉 シテ・ドゥ・ラ・デモクラシー: 首都リーブルヴィルにある、高度にセキュリティが施された城塞のような地区。 CFAから円の交換レート: 1,000,000 CFA = 152,560.62 JPY (2012/07/02 時点)
http://ja.exchange-rates.org/Rate/XOF/JPY

                             
独立行政法人環境再生保全機構より平成24年度地球環境基金助成金を受けて実施する「アフリカの熱帯林の環境保全と日本をつなぐ生物多様性保全の教育・普及活動」の一環として、このページを作成・公開しています。

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