カメルーン北部でゾウの大量殺害 少なくとも200頭が犠牲に
以下の内容はこちらのリンク先の記事を訳したものです。 http://www.rfi.fr/afrique/20120220-massacre-elephants-le-nord-cameroun-moins-200-betes-tuees-bouba-ndjida
RFI 2012年2月20日(月)
2012年1月中旬以降、少なくとも200頭のゾウが殺害されている。これはカメルーン東北部のブバ・ンジダ国立公園のゾウの3分の1以上にあたる(2007年にWWF【世界自然保護基金】が行った調査による)。密猟は続いているので、殺害数はさらに増える可能性がある。それに親を失った子ゾウは生き延びられない可能性がある。
カメルーン北部地方、チャドとの国境に近い自然公園ブバ・ンジダ一帯で起こったのはまさにゾウの大量殺害だ。被害の概況は、1月中旬以来200頭のゾウが殺害されたことを示している。これはこの保護区のゾウの3分の1以上にあたる。しかしこの数は暫定的なものだ。というのも密猟は続いているし、殺されたゾウの正確な数字を見積もるのは困難だからだ。そのうえ、さまざまな証言によると、親を失った子ゾウは途方に暮れて、公園内をさまよっているとのことだ。これらの子ゾウたちは生き延びられないと懸念する声もある。
さまざまな情報のうち一致しているのは、象牙目当ての密猟者たちは騎馬で重武装しており、チャドからやってきているという点だ。密猟者の人数はまだ不明だが、彼らと行き違った人々は、「アラビア語を話す、スーダン出身の黒人のグループ」としている。彼らは、殺害されたゾウの肉を食べ、密猟者に食料を供給してくれる地元住民と関係を結び、巧みに立ち回っているようだ。
地方行政当局は、この出来事の規模の大きさにお手上げ状態だと自ら認めている。RFIに対して政府のスポークスマンは「いまのところ、【首都】ヤウンデの政府は緊急処置を何も講じていない」とし、むしろこの件に関する協議のほうに言及した。
しかし動物相の専門家とヨーロッパの外交官たちは、この状況をひじょうに懸念している。専門家たちは、「何も対策が講じられなかったら、2・3年後にはこの国の北部からサバンナのゾウたちが完全に姿を消すだろう」と説明している。
独立行政法人環境再生保全機構より平成24年度地球環境基金助成金を受けて実施する「アフリカの熱帯林の環境保全と日本をつなぐ生物多様性保全の教育・普及活動」の一環として、このページを作成・公開しています。