アフリカ熱帯林の現状と日本との関係

ビルグ国立公園周辺住民に関する社会・歴史的研究の終了


以下の内容はこちらのリンク先の記事を訳したものです。 http://fr.allafrica.com/stories/201206121278.html

2012年6月12日 Gabonews ( リーブルヴィル ) ムビグ


NGOの「ミュイシ環境」は、【オマール・ボンゴ大学の】人類学科の協力を受け、アメリカの野生生物保護協会( WCS )と国の国立公園局( ANPN )の要請で行っていたビルグ国立公園周囲の共同体に関する社会的・歴史的研究をこのほど終了した。

オマール・ボンゴ大学( UOB )の教員・研究者のメクサン・メビアム氏によると、この人類学的研究の目的は、公園周囲に入植させられた住民の歴史を調べることだった。しかし同時に、住民たちの社会・経済・文化活動を調べ、住民委員会を率いることができる指導者たちに目星をつけるデータをとることも目的だった。

データ収集の仕事は、フランク・キンガ(修士2年・エコツーリズム専攻)とジュディ=フリダ・ムブアラ(学士3年・遺産専攻)の2人の学生にまかされた。調査方法としては、参加型調査加速法( MARP )が採用された。メビアム氏によると、これはこの種の研究に固有の手法だという。

「フィールドで一定期間に一定量の情報を集めます。しかし正確な判定を可能にするのは信頼できる情報です。」

メビアム氏と学生たちはおもに集団面接を行った。インフォーマントは全員、質問が向けられた警備隊の中から選んだ。学生たちは、さまざまな矛盾点と一致点を考慮しながら、各参加者の反応をとくにしっかりと観察した。

しかしムビグのブミ・ルエツィ県内の全村つまりンドンギ=レバニ、イツィバ、カムバモンゴ、ボラペサの各村、マリンガ(南部)のルエツィ=ビバカ県内のレヴィンダ、マムボンガ、ムキムビ各村、オグウエ=ロロ(南西部)のパナのロムボ・ブエンギディのシオノ、マランダT、マランダUの各村とンジョンゴ、イツァバンガ各地域では住民は、公園への移住以来、自分たちは欺かれてきたと考え、質問事項に容易に答ようとはしなかった。「こんなことをして、われわれの得になるとは思えないね」という声が聞かれることがあった。面接には簡単に応じないという態度だ。

このような緊張した瞬間もいくらかあったとはいえ、名士たちの協力のおかげで学生たちは、この手法で可能な限り移住の歴史を書きとめることができた。名士たちは、祖先から受け継いだこの遺産の運営にかかわるのは、彼らにとって必要なことと考えているのだ。

オグウエ=ロロとングニエの間に位置するこのビルグ国立公園には、ンゼビ、サンゴ、アケレあるいはブンゴム、ウンブ、バボンゴといった民族が暮らしている。公園周囲の村は45以上で、先行研究によると住民数は15,000人近くである。

                             
独立行政法人環境再生保全機構より平成24年度地球環境基金助成金を受けて実施する「アフリカの熱帯林の環境保全と日本をつなぐ生物多様性保全の教育・普及活動」の一環として、このページを作成・公開しています。

▲このページのTOPへ