アフリカ熱帯林の現状と日本との関係

木材産業:カメルーン共和国


以下の内容はこちらのリンク先の記事を訳したものです。 http://www.globaltimber.org.uk/cameroon.htm

カメルーン共和国




縦軸:RWE予測量
横軸:(左から)原木、製材

カメルーンの熱帯材輸出


縦軸:輸入量
横軸:輸入国;(左から)イタリア、スペイン、中国、フランス、オランダ、ポルトガル、ベルギー、その他

Cameroon
カメルーン


カメルーンの材木輸出は1990年代前半から増加し始めた。これは東アジアからの関心が増加したことと、新しい森林法の導入を段階的に行うことを求める債権者たちから地元を支配するエリート層がプレッシャーを受けたことが重なっている(しかし、伐採業へのモニタリングが対応して増えたわけではない)。近年、特定の木材種の原木輸出が禁止されたことから、過度の無計画な木材生産への投資が促進され、現在の原木生産能力は持続可能な水準を超えている。

1990年代のカメルーンの輸出の増加に呼応してイ タリアの輸入が増加している一方、スペインの輸入はそこまで急激には増加していない。中国は1990年代 後半に東アジアの中で主要な木材輸入国になった。1997年以来、中国はカメルーンの原木の主要輸出先となっており、2000年ではイタリア、スペインに次ぎ、カメルーンからの原木の輸出先第三位となっている。

原木の取扱い業者を国籍で分析することは見当違いである。カメルーン国外からきた下請会社が一部のカメルーン人所有の伐採権に基づいて伐採を行い、カメルーンの支配者の友人たちや家族はこれらの木材業者との多くのビジネス上の関わりを持っている(業者の中にはカメルーン国内企業と言ってよいものもある。)

(一部の高級官僚も含め)事情を知る者の多くは、現在の生産量を大幅に削減し生産方法を改善しない限り、カメルーンの森林で行われているこの大規模な木材伐採は5年かそこらの寿命であると確信している。

現状維持による軍中枢の既得権および司法の腐敗を考慮すると、外部から相当の支援がなければカメルーンが、違法に生産されている木材の輸出を停止できるということはありえないだろう。実際2000年に設置された(たいして強力ではない)森林犯罪監視部隊は森林管理にほとんど影響を及ぼさなかった。

EU が加盟国の違法木材のカメルーンからの輸入、南欧諸国の輸入を規制する(さらにコンゴ共和国と中央アフリカ共和国からの不正な輸入をも)ようなことがあれば、そうでなければならないが、中国は利益を受けることになる。違法な木材の輸入規制は国際的に導入されるべきである。そのような輸出入に関する禁止は輸出港で実際に適応されるべきであり、 輸送会社が違法材木の供給先と交渉するよう促進するために、苛酷なペナルティで圧力をかけ、輸送会社が違法材木を積み込むのを阻止すべきである。

指摘されているように、多くの場合に木材輸出で事前に支払いが行われているのであれば、伐採された森林から輸入港までの供給者のCOC認証(加工・流通過程の管理、書類受け渡し記録の管理)が、特にいつくかの特定の種の注文に関しては、既に入手可能になっているはずである。需要を見込んで生産、輸送された木材、あるいはその他の樹木に関する注文の場合は、COC情報の入手はもっと難しくなるであろう。

現在強力なCOC認証よりも持続可能な森林管理認証(略称:SFM)がはるかに注目されている。どちらも大変重要であるが、コストが低い後者であれば、SFMの全面的な採用に向けて必要とされる社会的な雰囲気を盛り上げることができるかもしれない。

                             
独立行政法人環境再生保全機構より平成24年度地球環境基金助成金を受けて実施する「アフリカの熱帯林の環境保全と日本をつなぐ生物多様性保全の教育・普及活動」の一環として、このページを作成・公開しています。

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